あんまり,こういう話題には触れないようにしているのですが
今回は,法曹界の問題なので,触れていきます。
結論から言うと
#検察庁法改正案に抗議します
ってことになるんですが。
検察官の定年が63歳ってのも早すぎるので
定年を一律65歳にしますってだけなら,別にいいと思うんです。
検事総長だけ65歳ってのも変ですし,裁判官だって65歳ですし(最高裁判事と簡易裁判所判事は70歳ね)。
今回の改正案は,正確に言えば若干違うとは思うんですが
分かりやすくするため,ざっくり言うと
①検察官の定年はとりあえず全員65歳ってことにする。
②検事総長は,内閣の判断で68歳まで延長OK。
③次長検事とか検事長は,原則として63歳でヒラの検事になるけど,内閣の判断で66歳まで延長OK。
④ヒラの検事・副検事は65歳になった後も,法務大臣の判断で68歳まで延長OK。
それでもこんなに分かりにくい。
なぜ,こんな分かりにくいことにしてしまったのでしょうか。
この点については,これまで合理的な説明は全く行われていません。
だいたい,「この人が検事総長でなければ,ダメ!」って場合が想定しがたい。
結局,一番の問題点は,内閣やら法務大臣やらの判断で,検察組織をいじれるってことです。
もっといえば,内閣は国務大臣の任免権を握っているので
結局のところ,総理大臣の意向で,検察の特に上層部をいじってしまえるところに問題があるのです。
(過去には,ある総理大臣が自分の意に沿わない大臣をクビにして,その大臣を自ら兼務して,閣議決定したこともあります)
検察官は,いざってときには総理大臣を追及すべき立場にあります。
例えば,総理大臣が犯罪行為に及んだ場合には,訴追する権限が検察官には与えられています。
にもかかわらず,総理大臣が人事に口を出せるってことになったら,どうなるでしょうか。
極端なことを言えば
①内閣総理大臣が気にくわない人はどんどんと投獄される。
②内閣総理大臣のお気に入りの人が何かやらかしてもスルーされる。
そんなことにだってなりかねないわけです。
そんなことが実際にあるかどうかはさておき
その可能性が生じる仕組みになってしまっているところが問題なんです。
内閣の人は言うでしょう。恣意的な人事はしない。と。
検察官は言うでしょう。政権に忖度することはない。と。
いやいやいや。そんだけ信用されてるって自信どこから来るわけ。
法律だって,契約書だって,結局のところ,そんなに人って信用できないよねって前提で作るもんなんです。
疑念が生じるようなルールは,ルールの意味がありません。
というわけで,#検察庁法改正案に抗議しますって思ってます。
ちなみに,他にもいろんなことが言われていますよね。
新型コロナで大変なときに,こんなことやってる場合じゃないとかね。
一つ言えるのは,緊急事態宣言が解除されても,未だに届いてないですけどね。マスク。
弁護士 横畑俊介

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