どれくらいの確率で勝てますか?
ってよく聞かれます。
あと,依頼者(相談者)が相手方とのやりとりをしたメールやLINEを見たりすると
相手方が「弁護士に聞いたら100%勝てるって言われました」
ってメッセージを送ってきていることが,意外とよくあります。
さて,勝つ確率って分かるものなのでしょうか。
弁護士は,証拠関係を見て,裁判になったら
結論としてどのようになる可能性が高いか,ある程度判断できます。
予想の根拠は,裁判官の思考がある程度分かるからです。
弁護士は,通常,司法試験の後,司法修習を経て弁護士になるわけですが
司法修習までは,裁判官になる人たちと同じ研修を受けて,同じ勉強をします。
ですから,裁判官の考え方をある程度知っているわけです。
そこに,裁判例や自分の経験をプラスして
これ裁判になったら,こういう感じになるやろなぁというのが感覚として分かるという感じです。
というか,そこが弁護士の強みですね。
ですが,勝つと思っていても,後から相手方から思いがけない証拠が出てきたり
そんなこと聞いてへんやんって事実関係が出てきたりして
「あかーん!!(負けるー!)」ってなることもよくあります。
ですので,勝てますか?と聞かれたときにはどうしても曖昧にならざるを得ません。
たぶん勝てるだろうなぁと思っていても,依頼者(相談者)の方には
負けるかもしれない可能性を説明しなければなりません。
どのくらいの確率で勝てますか?とよく聞かれるのですが
数字で表現するのはとても難しいんです。流動的だし,そもそも数字で表せるものでもないし。
もちろん,現時点で,把握している証拠と事実関係ならば,見通しとしてこういう結果になる可能性が高い
という程度の説明はできますが,「100%そうなる」という説明はできませんし
「100%勝てます」って言うような弁護士は逆に信用しない方がいいです。
なので,冒頭で述べたような依頼者(相談者)と相手方とのLINEのやりとりを見て
相手方が「弁護士に聞いたら100%勝てると言われました」っていうのを見たりすると
相手方のことながら,ちょっと心配になります。
(弁護士が本当に100%と言ったのか,相手方がそのように誤解しているのかは分かりませんが)
弁護士 横畑俊介

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